おしらせ

8020運動

8020運動というものがあります。
厚生省「成人歯科保健対策検討会中間報告」1989年には以下のように記述されています。

残存歯数が約20本あれば食品の咀嚼が容易であるとされており、例えば日本人の平均寿命である80歳で20本の歯を残すという、いわゆる8020運動を目標の1つとして設定するのが適切ではないかと考えられる。

この運動は多数の歯を残すことが、食事の質を高める(QOLの維持に貢献する)という考えで行われていますが、近年の研究では他の分野でも効果が見られる事が判ってきました。

日本歯科医師会HPによりますと

・保有する歯が19歯以下の人は、20歯以上の人と比較して1.2倍要介護認定を受けやすい
・歯が19歯以下で入れ歯を使用していない人は、20歯以上保有している人と比較し、転倒するリスクが2.5倍になる
・歯を失い、入れ歯を使用していない場合、歯が20歯以上残っている人や歯がほとんどなくても入れ歯によりかみ合わせが回復している人と比較して、認知症の発症リスクが最大1.9倍になる

といった事例が報告されています。
(20歯とは20本という意味になります)

要介護状態の回避や認知症の発症リスク低減は重要ですし、高齢になってからの転倒は骨折に繋がりやすく、それをきっかけに寝たきりになる危険を考えれば、こちらも重要です。
これらは各々に対策はありますが、口腔ケアは共通して有意義な対策になると言えるでしょう。

なお、この20本ですが、自分の歯以外に入れ歯なども含んでいる数字になります。
ですので、現在20本を割り込んでいても、治療で20本以上に回復させることが可能なケースも多くあると思われます。

人生100年と言われる昨今、歯も長く使いますので、口腔ケアの重要性は以前にも増して高くなったと言えるでしょう。

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